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銅の切削加工のポイント!特徴と加工時の注意点

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銅の切削加工のポイント!特徴と加工時の注意点

銅は高い電気伝導性と熱伝導性を持つ特性から、現代産業において欠かせない素材です。特にEVや半導体、通信機器などの分野では、その優れた機能性が求められる部品に数多く採用されています。しかし、銅はその柔らかさゆえに切削加工が難しい側面も持ち合わせています。
本記事では、銅の切削加工に焦点を当て、その基礎知識から素材の特性、具体的な加工のポイント、またトラブル対策までを詳しく解説します。

銅の切削加工とは

銅の切削加工は、高い電気・熱伝導性を活かしつつ、旋盤・フライス盤・ボール盤などで所定の形に削り出す技術があります。銅はその特性から、硬すぎず柔らかすぎずの絶妙なバランスを持ち合わせており、精密な形状加工が可能です。研磨のような後工程を経ずに高精度部品を作る場合にたいへん有効となっています。

加工対象としての銅の位置づけ

銅は、その高い電気伝導性と熱伝導性から、電気配線、放熱部材、接点など、多くの産業分野で不可欠な素材となっています。
特に、近年需要が拡大しているEV(電気自動車)や半導体関連機器では、銅が使われるパーツが非常に多いため、これらの分野における銅の切削加工の重要性は増しています。

銅素材の特性と加工への影響

熱伝導性・電気伝導性の高さ

銅は導電率が鉄の約6倍であり、熱伝導性もトップクラスです。すばやく熱を逃がし、加工中の温度上昇を抑えられますが、高温域では軟化や歪みの原因にもなります。

柔らかさと変形のしやすさ

非常に柔軟な金属であるため、バリや変形といったトラブルが発生しやすいです。そのため、精度を維持するためには加工条件の調整が不可欠となります。

非磁性ゆえの加工上の利点

銅は磁性を持たないため、磁気干渉を避けたい電子部品などにも適しています。また、放電加工との相性もよいため、高精度加工にも貢献できます。

銅の種類と切削特性の違い

純銅と銅合金の違い

純銅はタフピッチ銅(C1100)や無酸素銅(C1020)などに分類され、それぞれ硬度や加工後の用途が異なります。タフピッチは導電性が高い一方、熱脆化に注意が必要です。無酸素銅は高温安定性・クリアな導電特性のため、医療や音響機器に適しています。
銅合金は黄銅・青銅・ベリリウム銅など様々な種類があり、強度や耐食性に優れています。ベリリウム銅は硬く粘りがありますが、加工時において粉塵吸引が引き起こす健康リスクも存在しています。

用途別に見た素材選定のポイント

用途に応じた素材選定は非常に重要です。高導電性が求められる場合は純銅、高強度や耐食性が求められる部品なら合金を検討するのがおすすめです。

銅を切削する際の加工ポイント

切削条件(速度・送り・深さ)の設定

銅は柔らかいため、切削速度は比較的高く設定することが可能となっています。しかし一方で、送り速度や切込み深さが大きすぎると、切り屑が詰まりやすくなり、工具の寿命を縮める原因ともなります。安定した送りと適切な切削深さのバランスを取ることが、工具寿命の延長と加工精度の両立に繋がります。特に純銅の場合は切削熱が加工面に残りやすく、変形や膨張の影響が出やすいため、冷却と加工条件の最適化が必要不可欠です。

適切な工具とコーティングの選定

銅は加工中に刃先に素材が付着しやすく、「ビルドアップエッジ」が発生しやすい傾向があります。そのため、刃先に粘着防止処理や特定のコーティング(例えばTiAlN、CrNなど)を施した工具を用いることで、加工品質が安定します。
また、刃先の角度(すくい角)が大きくシャープな工具を使用することで、滑らかな切削が可能になり、バリの発生を抑えられます。

冷却液や潤滑剤の使い方

加工中の発熱を抑えるためには、油性クーラントの使用が効果的です。水溶性クーラントでは冷却効果はあるものの、潤滑性に劣る場合があり、純銅など軟質材料の加工には適さないこともあります。
油性クーラントを適切な流量で供給し、工具と加工面を効率よく冷却・潤滑することで、工具摩耗やワークの変形を最小限に抑えられます。

銅切削におけるトラブルと対策

バリ発生や工具摩耗の対処法

銅は切削時に細かい切り屑が発生しやすく、それが加工面に再付着することでバリが生じます。これを防ぐには、工具の切れ味を常に維持し、適切な切削条件を設定することが重要です。また、切り屑排出をスムーズにするためにエアブローや切削油の高圧噴射を併用することも有効です。
摩耗しやすい工具をそのまま使用し続けると、加工面に焼けや傷が出ることがあるため、定期的な工具交換と摩耗監視が必要です。

寸法精度の確保方法

銅は加工中の熱で膨張しやすいため、寸法ズレが生じるリスクがあります。そのため、荒加工と仕上げ加工の間に冷却時間を設けることや、加工中の温度管理が重要です。
また、仕上げ時の切削条件を緩やかに設定し、微細な切り込みで加工することで、寸法の安定性を高めることが可能となります。

切り屑処理と粉塵対策

銅の切り屑は小さく散りやすいため、回収装置の整備と粉塵の飛散対策が不可欠です。特に銅合金の中には、有害な微粒子が発生するものもあり、作業環境の空気清浄化や作業者のマスク着用などの衛生対策が求められます。

銅の切削加工ならCHAMPIONにお任せください

CHAMPIONでは、純銅や銅合金の切削加工に多数の実績があります。EV関連部品、冷却用銅ブロック、精密接点部品など、多様な製品に対応し、素材選定から加工工程の設計まで一貫してサポートいたします。
当社では、銅の特性に応じた専用工具とクーラントを選定し、バリや寸法精度に配慮した加工を標準化。営業部門からの加工相談にも迅速に対応できる体制を整えております。
「試作から量産まで対応可能」「高精度加工に自信あり」という強みを生かし、さまざまな業界のお客様から信頼を得ています。




まとめ

本記事では、銅の切削加工のポイントについて解説しました。銅はその優れた特性の反面、柔らかさゆえに加工中の変形やバリ、寸法ズレといった課題も伴っています。
銅の切削加工は、その特性を理解し、適切な条件や工具を選定することで、高精度な部品製造が可能です。CHAMPIONでは、銅切削加工の豊富な実績とノウハウで、お客様の多様なニーズに対応しています。詳細は下記よりご覧ください。

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