1. HOME
  2. チャンピオンコラム
  3. 法人向け特注部品製作
  4. 深穴加工とは?基本原理と特徴を徹底解説

チャンピオンコラム

深穴加工とは?基本原理と特徴を徹底解説

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
深穴加工とは?基本原理と特徴を徹底解説

研削加工とは、砥石という工具を使い、材料を削って表面をなめらかに仕上げたり、寸法を正確に整える加工技術です。金属部品や精密機械など、製造業の幅広い分野で活用されており、特に高い精度が求められる製品に欠かせません。この記事では、研削加工の基本知識、種類、特徴、そして活用のポイントを詳しく解説していきます。

高精度・複雑形状・短納期での特注製作を得意としております。
単品・小ロットの製作が当社の最も得意な領域です。
大ロットでも多数納入実績がございますので、お気軽にご相談ください。
→特注製作資料はこちら

深穴加工とは、材料に対して長さの比率が大きい穴を高精度に加工する技術です。近年、日本国内では、自動車や航空機、医療機器分野における高精度な深穴加工の需要が増加しています。この記事では、深穴加工の基本、加工方法の種類、メリット・デメリット、さらに精度向上のポイントについて詳しくご紹介していきます。

深穴加工とは

深穴加工は、一般的なドリル加工では難しい長尺の穴を高精度で仕上げるための技術です。特に、自動車や航空機、医療機器などの分野では、内部構造を最適化しながら強度を確保するために必要不可欠な加工技術とされています。近年では、高精度な部品の需要が増加していることから、深穴加工技術の発展が求められています。

深穴加工の主な種類と加工方式

深穴加工にはいくつかの方法があり、目的や対象素材に応じて適切な方式が選ばれます。代表的なものとして、BTA方式やガンドリル加工などがあります。

BTA方式

BTA(Boring and Trepanning Association)方式は、加工中に切削油を内部から供給し、切りくずを外部へ排出する仕組みを持つ加工技術です。大量生産が求められる場面や、大径の深穴加工を必要とする場合に適しています。

ガンドリル加工

ガンドリル加工は、極めて細長い穴を高精度で仕上げるための技術で、医療機器や航空機部品の加工によく用いられます。切削油を内部から供給しながら加工を行うことで、滑らかな仕上がりを実現できるのが特徴です。

高速深穴加工技術のトレンド

近年では、より高速かつ高精度な深穴加工を実現するために、新たな工具材料や加工制御技術が導入されています。特に、CNC(コンピュータ数値制御)を活用した精密加工技術が進化しており、従来よりも効率的な加工が可能となっています。

特殊用途向けの深穴加工技術

深穴加工は、産業ごとの特殊な要件に応じてカスタマイズされることもあります。例えば、耐熱合金を使用する航空宇宙分野では、加工中の温度管理が重要視されるため、冷却性能の高い切削油を使用するケースが増えています。

深穴加工のメリット

高精度な穴加工の実現

深穴加工では、一般的なドリル加工よりも精度の高い加工が可能であり、特に寸法精度や表面粗さを向上させることができます。

高速加工による生産性向上

BTA方式やガンドリル加工を適切に活用することで、加工時間の短縮が可能となり、生産性の向上につながります。

深穴加工のコスト効率の向上

最新の工具や機械を導入することで、材料の無駄を減らし、加工コストを抑えることができます。

深穴加工のデメリット

専用設備の導入コスト

深穴加工を行うためには、専用の加工機や工具が必要となるため、初期投資が高額になる場合があります。

長尺加工における難易度の高さ

深穴加工では、穴の長さが増すほど加工精度を維持するのが難しくなります。そのため、振動や歪みを抑えるための工夫が求められます。

切削油・冷却技術の必要性

深穴加工では、熱が発生しやすいため、適切な冷却技術が不可欠です。特に高硬度材料を加工する場合、冷却性能の高い切削油を使用することが重要となります。

深穴加工の基本工程と使用機械

深穴加工の工程と流れ(前処理から仕上げまで)

材料の準備:加工対象の素材を適切な形状に整えます。
ドリル加工:下穴を開け、深穴加工のための基準を作ります。
深穴加工:BTA方式やガンドリル加工を用いて、必要な深さまで穴を拡張します。
仕上げ加工:必要に応じてリーマ加工や研削加工を行い、精度を高めます。

主要な使用機械(ガンドリルマシン・BTA加工機など)

ガンドリルマシン:小径で長尺の穴加工に適しており、医療機器や精密部品の製造に利用されます。
BTA加工機:大径の深穴加工に適しており、産業機械や航空機部品の加工に使用されます。

精度を高めるための工具選定のポイント

工具の材質:超硬合金製のドリルを使用することで、摩耗を抑えて高精度な加工が可能となります。
切削速度の最適化:適切な切削速度と送り速度を設定することで、加工精度を向上させることができます。

深穴加工時の注意点と対策

長尺穴加工における振動抑制方法

振動が発生すると加工精度に影響を与えるため、工具の剛性を高めることで振動を抑える工夫が求められます。

切削工具の摩耗と交換タイミングの最適化

工具の摩耗を定期的にチェックし、最適なタイミングで交換することで、安定した加工品質を維持できます。

冷却・排出技術による加工精度向上

切削油の適切な供給と排出を行うことで、加工中の熱や切りくずの影響を最小限に抑え、精度を向上させることが可能となります。

深穴加工と他の穴加工技術の違い

ドリル加工と深穴加工の違い

ドリル加工は一般的な穴開け技術ですが、深穴加工はより長尺の穴を高精度で加工するための特別な技術です。

ボーリング加工との違い

ボーリング加工は既存の穴を拡張するための技術であり、深穴加工とは目的が異なります。

リーマ加工と深穴加工の違い

リーマ加工は穴の表面粗さを向上させるための仕上げ工程として用いられることが多く、深穴加工とは異なる用途で使用されます。

深穴加工の製作実績

 
ロケットエンジン エレメント

ロケットエンジン エレメント

ロケットエンジンに使用される部品を試作しました。

鋳抜きピン

鋳抜きピン

冷却穴がφ3で194mm空いています。

スリーブ

スリーブ

長尺の段付きスリーブです。穴は三段で空いており、先端部内径φ4.2H7公差で30mm、その先φ4.5で先端から235mm、ツバ裏までφ8.5で貫通です。

キャビピン

キャビピン

先端穴径0.4のスプルーピンです。

深穴加工ならCHAMPIONにお任せください

CHAMPIONは、精密深穴加工の分野で長年培った技術と経験を持ち、特に工具鋼や構造用鋼などの難削材に対する深穴加工で高い評価をいただいております。射出成形金型部品のスリーブやコアピンの冷却穴、ダイカスト金型部品の鋳抜きピンの冷却穴の加工実績が豊富で、φ2~φ25の深穴を最長450mmまで高精度に加工する技術を有しています。また、ガンドリルマシンや細穴放電加工機などの最新設備を備え、多品種少量生産にも柔軟に対応可能です。深穴加工に関するご相談やお見積りは、ぜひCHAMPIONにお問い合わせください。




まとめ

深穴加工は、高精度な長尺穴を加工するための重要な技術であり、自動車、航空宇宙、医療機器など幅広い分野で活用されています。代表的な加工方式としてBTA方式やガンドリル加工があり、それぞれの特性に応じて適切な手法を選ぶことが重要です。高精度な仕上がりや生産性向上といったメリットがある一方で、専用設備の導入コストや加工時の難易度の高さといった課題も存在します。これらの課題に対応するためには、適切な工具選定や振動抑制、冷却技術の向上が欠かせません。今後も、より高度な深穴加工技術が求められる中で、最新の技術動向を注視しながら、最適な加工方法を導入することが重要となります。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

CONTACT

お問い合わせ

各種お問い合わせは、
以下メールフォームまたはお電話から
お問い合わせください。

特注製作について

お客様のご希望の合わせてオーダーメイドで精密部品を製作しています。

資料ダウンロード

弊社で取り扱っている製品の資料をダウンロードできます。

お電話でのお問い合わせ

受付時間 8:45~17:30(日・祝日除く)

特注部品に関することは、
お気軽にお問い合わせ下さい

特注製作の詳細はこちら お見積り依頼はこちら
閉じる