SKH51の特徴と加工におけるポイント

SKH51の特徴や用途、性質、メリットデメリットについて解説しております。

SKH51は、高速度工具鋼の一種です。
高い硬度と耐熱性を持ち、特に高速度での切削や高温環境下での使用を前提とした工具や部品の材料として利用されています。

SKH51は高い硬度と耐熱性を持つため、高速度での切削や摩耗環境下での使用に適しています。
熱処理によってさらに高い硬度を持つことができます。
当社では、焼入れや焼き戻しを行い、硬度や靭性を調整します。

SKH51は多岐にわたる産業での使用が確認されています。
具体的な用途としては以下のようなものが挙げられます。

• ドリルビット: 高速度での切削を行うための工具。
• タップやダイス: 内部・外部のねじ加工を行うための工具。
• エンドミル: 高速度での切削を行うための工具。
• その他の高速度切削工具: 切削速度や摩耗環境下での性能が求められる工具。
• 冷間成形ダイスやパンチ、エジェクタピン、コアピンなどの金型部品: 高い硬度や耐熱性が求められる部品。

SKH51は高い硬度と耐熱性を持つため、高速度での切削や摩耗環境下での使用に適しています。
また、熱処理によってさらに高い硬度や靭性を持つことができます。

SSKH51のメリットには、高い硬度と耐熱性、そして優れた切削性能が挙げられます。 。

SKH51は非常に硬いため、加工が難しくなることがあります。また、高価な材料であるため、コストが高くなることがあります。

1. 焼入れ

   • 目的: SKH51の硬度を最大限に引き出すため。
   • 処理温度: 1,180°C - 1,230°C 付近で加熱し、その後急速冷却（油冷や空冷）します。
   • 得られる硬度: 焼入れ後の硬度は通常、HRC 63-65 付近になります。

2. 焼き戻し (またはテンパリング)

   • 目的: 焼入れによって生じた過度な内部応力を緩和し、靭性を向上させるため。
   • 処理温度: 通常、500°C - 570°C の範囲で加熱し、その後空冷します。焼き戻しの温度や時間は、求める硬度や靭性に応じて調整されます。
   • 得られる硬度: 焼き戻し後の硬度は、HRC 60-63 付近になることが多いです。ただし、焼き戻しの条件によっては、これよりも低い硬度になることもあります。

3. 焼きなまし

   • この鋼種での焼きなましは一般的ではありませんが、特定の用途での加工性を向上させるために行われることがあります。
   • 処理温度: 800°C - 850°C で加熱し、その後空冷します。
   • 得られる硬度: 焼きなまし後の硬度は、HRC 30-40 付近になることが多いです。

注意点として、SKH51は高炭素高合金鋼であるため、熱処理時の加熱や冷却の速度、そして焼き戻しの条件などが適切でないと、欠けや割れなどの問題が生じる可能性があります。

1. PVD (Physical Vapor Deposition)

   • 用途: 摩擦係数を低減させ、部品の耐摩耗性を向上させるため。特に摺動部や高温での使用を想定した部品に適しています。
   • 特徴: TiN (窒化チタン), TiAlN (窒化チタンアルミニウム), TiCN (炭化窒化チタン) などの薄膜コーティングが一般的です。

2. 硬質クロムメッキ

   • 用途: 摩擦係数の低減や耐摩耗性の向上を目的として、摺動部やピン、ガイド部などの部品に適用されます。
   • 特徴: 表面に硬くて耐摩耗性の高いクロムの層を形成します。

3. ブラックオキサイド（黒染め）

   • 用途: 軽い防錆効果と美観の向上を目的として、見える部分や保護が必要な部品に適用されます。
   • 特徴: 表面に黒い酸化皮膜を形成します。

4. 研磨・バフ研磨

   • 用途: 表面の仕上げや美観を向上させるために行われ、装飾的な部品や表示面がある部品、または摺動面の仕上げに使用されることが多い。
   • 特徴: 表面の微細な傷や凹凸を取り除き、光沢のある仕上がりを得られます。