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難削材の特徴と加工におけるポイント

難削材の加工は弊社にお任せ下さい

難削材とは、その名の通り、加工が難しい材料のことを指し、チタン合金やハステロイ、インコネル、タングステン等のことを指します。
高い硬度、高い強度、高温での強度の保持、および耐摩耗性などの特性を持っているため、通常の加工方法では加工が困難、または加工時に工具の摩耗が激しいといった特徴があります。航空宇宙産業や発電機のタービン部品などに使用される材料です。

CHAMPION CORPORATIONでは難削材をはじめ、あらゆる素材に対応しており、高精度・複雑形状・短納期での特注製作を得意としております。
下記フォームより、お気軽にお問い合わせください。


難削材の特徴

難削材の特徴や用途、性質、メリットデメリットについて解説しております。

難削材とは?

難削材とは、切削加工が難しい材料のことを指します。これらの材料は高い硬度、高温での強度維持、化学的安定性などの特性を持ち、通常の加工方法では加工が困難、または工具の摩耗が激しいなどの問題を抱えています。難削材は航空宇宙産業、化学産業、医療機器、自動車産業など、特殊な環境や高い性能が要求される分野で広く用いられています。

難削材の主な種類

チタン合金

チタン合金は軽量でありながら高い強度を持ち、優れた耐食性と耐熱性を兼ね備えています。これらの特性から、航空宇宙産業や人工関節などの医療分野で特に重宝されています。しかし、加工時には工具に高い負荷がかかりやすく、加工温度が上昇しやすいため、冷却と工具選択に注意が必要です。また、チタンは加工時に粘着性が高く、切削工具に材料が付着しやすいため、特殊な切削液の使用や適切な切削条件の選定が重要です。

ハステロイ

ハステロイはニッケルを基とした耐食性に優れた超合金の一種で、強酸や高温環境下での優れた耐性から化学工業や石油・ガス産業で用いられます。ハステロイは硬度が高く、加工時には工具の摩耗が非常に激しくなる可能性があるため、高性能な工具材料の選択や適切な切削速度の設定が必要です。また、熱伝導率が低いため、加工時の熱処理にも注意が必要です。

インコネル

インコネルもまたニッケルを基とする耐熱性・耐食性に優れた超合金で、特に高温下での強度維持能力が高いため、ジェットエンジンや原子力発電所などの極限環境での使用が見られます。インコネルの加工には、非常に高い硬度と強度、熱伝導率の低さが挑戦となり、通常の鋼材よりもはるかに高い工具の耐久性と冷却方法が求められます。また、インコネルは作業硬化しやすいため、低い切削速度での加工が推奨されることが多いです。

タングステン

タングステンは非常に硬く、加工するためにはダイヤモンド工具や超硬工具などの特殊な工具が必要になることがあります。 高い融点を持つため、溶接や鋳造などの加工方法を選択する際に特別な注意が必要です。また、 高硬度のため、加工工具の摩耗が激しくなりがちで、これが加工コストの増加につながります。 タングステンの熱伝導性は比較的良好ですが、加工時の熱管理には注意が必要です。また、熱膨張係数が小さいため、他の材料と組み合わせる際には熱膨張の違いを考慮する必要があります。

これらの難削材を加工する際には、適切な工具材料の選択、切削条件の最適化、冷却方法の適用など、特別な注意を払う必要があります。また、これらの材料の加工には専門的な知識と経験が必要とされ、加工コストも高くなりがちですが、それらを必要とする用途では代替材料がない、またはその性能を上回る材料が少ないため、これらの難削材の使用が不可欠となります。

難削材の用途

チタン合金、ハステロイ、インコネルはそれぞれ独自の優れた特性を持ち、特定の用途において広く使用されています。以下にそれぞれの用途を詳しく説明します。

チタン合金の用途

  • 航空宇宙産業: チタン合金はその軽量性と高い強度、優れた耐熱性のため、航空機のエンジン部品、フレーム、ランディングギアなどに使用されます。
  • 医療分野: 生体適合性が高いため、人工関節や骨折治療用のインプラント、歯科用インプラントなどに利用されます。
  • スポーツ用品: 軽量かつ強靭な特性を生かして、ゴルフクラブのヘッドや自転車のフレームなどに使用されることがあります。
  • 化学産業: 耐食性が求められる化学プラントの配管や反応器にも使用されます。

ハステロイの用途

  • 化学工業: 強酸や強アルカリなど、極端な化学環境下で使用されるプロセス機器や反応器、配管などに適しています。
  • 石油・ガス産業: 海底掘削装置や高温・高圧環境下での使用が要求される部品に利用されます。
  • 環境技術: 塩素製造や廃水処理プラントなど、腐食性の高い環境下での用途に適しています。

インコネルの用途

  • 航空宇宙産業: 高温環境下での強度が要求されるジェットエンジンのタービンブレードや排気システムに使用されます。
  • エネルギー産業: 原子力発電所の核燃料棒や、高温高圧を扱う発電所の部品に適しています。
  • 化学工業: 高温かつ腐食性のある環境で使用される反応器や熱交換器に利用されることがあります。
  • 自動車産業: 高性能エンジンのエキゾーストシステムなど、高温にさらされる部品に使用されることもあります。

タングステンの用途

  • 電子機器: 高温での強度と硬度を利用して、フィラメントやX線管などの電子機器に使用されます。
  • 工具材料: 超硬合金の主要成分として、切削工具や掘削工具に使用されます。
  • 防御産業: 高密度を生かして、弾丸やミサイルのペネトレータとして利用されます。

難削材のメリット

難削材には、加工が難しいという何点がありながらも、それを補う多くのメリットが存在します。これらの材料が選ばれる理由は、その独特な特性によって特定の用途や環境で類を見ない性能を発揮するからです。以下に難削材の主なメリットを挙げます。

1. 高い強度と耐久性

難削材は、一般的な材料よりもはるかに高い強度を持っています。これにより、極端な圧力や衝撃がかかる環境でも、材料の破損や変形が少なく、長期間にわたってその性能を維持できます。

2. 優れた耐熱性

多くの難削材は、高温下でも強度や硬度が落ちにくい特性を持っています。これにより、エンジン部品やタービンなど、高温環境で使用されるアプリケーションに適しています。

3. 優れた耐食性

化学的に安定しており、酸やアルカリ、塩水など、腐食性の高い環境でも材料の劣化が少ないのが特徴です。このため、化学工業や海洋設備、医療器具などの分野で広く利用されています。

4. 生体適合性

チタン合金のような難削材は、生体内での反応が少なく、人体に対して安全であるという特性があります。このため、医療分野でのインプラントや外科用具などに広く使用されています。

5. 特殊な物理的・化学的特性

特定の難削材は、独特の熱伝導性や磁気特性など、特殊な物理的・化学的特性を持っています。これらの特性は、特定の科学的、工業的アプリケーションで非常に重要な役割を果たします。

難削材のデメリット

難削材の主なデメリットを詳しく説明します。

1. 加工の難しさ

難削材はその名の通り、加工が非常に困難です。これは、高い硬度、高温での強度、および化学的安定性によるもので、通常の加工方法や工具では、効率的に加工することが難しい場合があります。これにより、特別な加工技術や高価な工具が必要となることがあります。

2. 高い加工コスト

難削材の加工には、特殊な工具や加工技術が必要であること、加工速度が遅くなること、および工具の摩耗が激しいことから、加工コストが一般的な材料に比べて高くなりがちです。また、これらの材料自体のコストも高価であることが多いです。

3. 工具の摩耗

難削材を加工する際には、工具の摩耗が非常に早く進行します。これは、材料の高硬度や加工時の高温が原因で、工具の交換頻度を増加させ、生産効率を下げる要因となります。

4. 加工時の熱問題

難削材は熱伝導率が低い傾向があり、加工時に発生する熱が材料内に留まりやすく、局所的な過熱が生じることがあります。これは加工精度の低下や、工具のさらなる摩耗を引き起こす可能性があります。

5. 特殊な加工技術の必要性

難削材の加工には、通常の加工技術では対応できない特殊な技術や知識が必要になります。これには、高度な技術トレーニングや専門知識が要求され、生産体制の構築が困難になることがあります。

6. 材料の入手性

一部の難削材は、希少性や生産コストの高さから、入手が困難であったり、価格が非常に高かったりします。これは、プロジェクトのコスト増加や納期遅延の原因となることがあります。

難削材の熱処理

難削材の熱処理は、その材料の特性を最適化し、加工性を改善するために重要な工程です。難削材にはチタン合金、ニッケルベースの超合金(ハステロイ、インコネルなど)が含まれ、これらの材料は高い強度、耐熱性、耐食性を持っていますが、適切な熱処理を行うことでこれらの特性をさらに向上させることができます。以下に、これらの材料に対する一般的な熱処理方法を説明します。

チタン合金の熱処理

  • 焼鈍(アニーリング): チタン合金の加工性を向上させるために一般的に行われます。材料を一定温度まで加熱し(例: 700-785℃)、その温度を保持した後、空気中で徐冷します。これにより、内部応力が減少し、硬度が低下し、加工性が向上します。
  • 溶体化+時効処理: 強度と硬度を向上させるために使用されます。溶体化処理では、高温で加熱して急冷し、合金元素を均一に分散させます。その後、時効処理により、微細な析出物を形成させて強度を向上させます。

ニッケルベース超合金(ハステロイ、インコネル)の熱処理

  • 溶体化処理: 超合金の均一性を向上させ、加工性を良くするために行われます。高温で一定時間保持した後、水や他の媒体で急冷し、合金内の元素を均一に分散させます。
  • 時効処理: 溶体化処理後に行われることが多く、材料を比較的低温で保持してから徐冷することで、硬度と強度を向上させます。この処理により、微細な析出物が形成され、材料の特性が改善されます。

熱処理時の注意点

  • 制御が重要: 難削材の熱処理は、特性を最大限に引き出すために、正確な温度制御と時間が必要です。不適切な熱処理は、材料の特性を損なう可能性があります。
  • 冷却速度: 特にニッケルベースの超合金では、冷却速度が材料の微細構造と性能に大きな影響を与えます。急冷することで望ましい特性を得ることができますが、材料や目的に応じて最適な冷却方法を選択する必要があります。
  • 専門的知識: 難削材の熱処理は専門的な知識を要するため、適切な条件を選択するには経験と理解が必要です。

難削材の加工事例

MV17(タングステン)の鋳抜きピン

タングステンの加工事例
  • 材質:MV17
  • サイズ:φ30 × 57.9
  • 精度:0.02
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