ただ、今回当社が導入したVL-700は、1~4の処理を自動で行ってくれます。
そして変換したデータをSTEP形式で吐き出してくれます。
吐き出されたデータがこちら。
ある程度形になっているように見えますが・・・
↓のキャプチャをよく見ると、フェースが崩れて、複雑な面の組み合わせとして処理されている部分(タップ口元や溝部の壁など)があります。
これでは、機械加工に使えるデータではないので再モデリングする必要があります。
と、いうことで、こちらのCADデータをもとに、再度モデリングを行います。
いまスキャンしたモデルを基準面に投影し、投影された線をなぞりながら幾何形状として再定義した後に、そのつなげた形状を押し出してモデリングしていきます。
下のキャプチャの紫の線が、スキャンしたモデルを投影した線です。
こうして、出来上がったのが↓のモデルです。
問題だったブレーキキャリパーへの取付穴の位置も、ブレーキキャリパーのスキャンモデルと重ねながら位置調整しました。
右上部にある溝位置や切り欠きの位置が元のモデルのままではブレーキキャリパーに干渉する問題等もありましたが、
お客様と打ち合わせしながらモデルを修正しました。
できた3Dモデルをもとに、今度は当社の製造現場に流すために紙の図面にも落とし込む必要があります。
紙図面化もそこそこの工数が必要なので、手戻りは許されません。
モデルの確認のため、今できたモデルを3Dプリンターで造形し、実物に合わせてみます。
1時間程度で造形完了です。
そして実際に合わせてみたのがこちら。
取付穴の位置も切り欠きの位置も問題なさそうです。
このモデルを、紙図面化します。
紙図面として出力して、加工における注意点などを手書きで追記していきます。
出来上がったのがこちら↓。(寸法情報等が記載してされているのでモザイク処理をかけています。)
これで、加工に進む準備が整いました。
果たしてうまくリバースエンジニアリングできるのか・・・。
次の記事で製造過程を紹介します。