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【旋削加工とは】その基礎から最新技術までを解説!

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【旋削加工とは】その基礎から最新技術までを解説!

旋削加工とは、金属やその他の素材を回転させ、バイトと呼ばれる刃物を用いて形状を削り出す加工方法です。近年、日本国内では高精度な加工技術の需要が増加しています。この記事では、旋削加工の基礎から最新技術までをご紹介していきます。

旋削加工とは

旋削加工は、工作機械の一種である「旋盤」を使って、回転する素材に「バイト」と呼ばれる工具を当てて削り、形状を整える加工技術です。この技術では、素材自体が回転し、それに対して固定されたバイトが素材を削ることで、円形や円柱形、円錐形といった複雑な形状を作り出すことができます。

例えば、自動車のエンジン部品や航空機のタービンブレードなど、寸法精度が求められる部品の製造において旋削加工は欠かせません。また、鉄鋼や金属をはじめとする硬い素材の加工にも適しており、製造業全般で広く利用されている技術です。

旋削加工と他の加工技術の違い

旋削加工と他の切削加工技術にはいくつかの違いがあります。旋削加工の最大の特徴は、素材が回転し、工具が固定されている点です。これに対して、フライス加工などでは工具自体が回転し、素材は固定されています。この違いから、旋削加工は円柱形や円錐形の部品を作るのに適しており、特に素材の外周や端面、内部に穴を開ける加工が得意です。

また、旋削加工は加工速度が速く、精度が高いという特徴もあります。大量生産が求められる部品を効率的に加工するのに優れた技術であり、製造現場において非常に重宝されています。

主に使用される材料

旋削加工で主に使われる材料は、鉄、アルミニウム、銅、チタン、ステンレススチールなどの金属です。これらの金属は硬度や耐久性が高く、機械部品や精密加工が必要とされる製品に適しています。特に自動車や航空機、医療機器といった高精度な部品には、これらの金属材料がよく使用されます。

また、金属以外のプラスチックや樹脂素材も旋削加工で扱うことができます。素材の特性に合わせて適切な工具や加工条件を選定することで、効率よく製品を作り上げることが可能です。

旋削加工の種類と用途

旋削加工にはいくつかの主要な種類があります。これらは目的や形状に応じて使い分けられます。

外径加工

外径加工は、素材の外側を削り取って円柱や円錐形の形状を作る加工技術です。これは旋削加工の中でも最も一般的な方法で、金属棒やパイプの外形を均一に整える際に使われます。例えば、エンジンのシャフトやホイールの外周部を加工するのに用いられます。

端面加工

端面加工は、素材の端を平らに削り、表面を滑らかに整える加工です。この加工は、基準面を作るために使用されることが多く、機械部品の密閉面や接続面の仕上げに活用されます。精密な端面加工によって、部品の性能や耐久性を向上させることができます。

内径加工

内径加工は、素材の中心に穴を開ける技術です。この加工によって、素材の内部に空洞や貫通穴を形成することができ、軽量化や通気性を持たせるための機械部品の製造に役立ちます。例えば、エンジンシリンダー内の通気穴や軸受けの加工に利用されます。

ねじ加工

ねじ加工は、素材にねじ山を形成する技術です。ボルトやナットのようなねじ込み部品を作る際に使用され、旋削加工で精密なねじ山を作ることが可能です。この加工では、ねじ切りバイトと呼ばれる特殊な工具を使用して、細かなねじ山を高精度で切削します。

旋削加工の用途と活用分野

旋削加工は、その高精度と多様な形状加工が可能であるため、さまざまな産業で幅広く利用されています。代表的な活用分野を以下に示します。

自動車産業での旋削加工

自動車のエンジン部品やトランスミッション部品、ホイールなど、金属で構成された多くの部品の製造に旋削加工が活用されています。特に、円柱形や回転対称な部品を作るのに適しており、シャフトやベアリングなどの精度が求められるパーツを効率的に作り出すことができます。

航空機産業での旋削加工

航空機のエンジン部品やタービンブレードなど、高い精度と強度が求められる部品に旋削加工は欠かせません。航空機部品では、耐久性や耐熱性が重要視されるため、旋削加工によって精密に加工されたパーツが多用されています。

医療機器産業での旋削加工

医療機器や手術器具、インプラントなど、非常に精密な形状を持つ製品にも旋削加工が多用されています。特に、チタンやステンレスなどの高強度な金属を用いた製品の製造において、旋削加工は重要な役割を果たしています。手術器具やインプラントは、人体に直接影響を与えるため、非常に高い精度が求められます。

旋削加工に使用される旋盤の種類

旋削加工には、さまざまな種類の旋盤が使用されます。用途や精度に応じて、以下のような旋盤が選ばれます。

汎用旋盤

汎用旋盤は、手動操作で動作する基本的な旋盤です。主に試作品の製造や少量生産に使用され、操作が簡単で柔軟に対応できるのが特徴です。自動化されていないため、大量生産には向きませんが、自由度が高く小規模な加工に適しています。

NC旋盤

NC(数値制御)旋盤は、あらかじめ設定されたプログラムに基づいて自動で加工を行う旋盤です。NC旋盤は精度が高く、同じ部品を大量に生産する際に非常に効果的です。数値制御により、精密な加工を繰り返し行うことができます。

CNC旋盤

CNC(コンピュータ数値制御)旋盤は、コンピュータを用いて制御される高度な旋盤です。複雑な形状の部品や高精度が求められる部品の大量生産に適しており、自動車や航空機産業などで広く利用されています。

旋削加工に使われるバイトの種類

旋削加工で使用されるバイトには、以下のような種類があります。

片刃バイト

外周や端面を削るために使用されるシンプルなバイトです。形状が単純で、汎用性が高いのが特徴です。

剣バイト

より細かい形状や鋭い部分を削るためのバイトで、精密加工に適しています。特に、精度が求められる部品の製造で使用されます。

中ぐりバイト

内部の穴を加工するためのバイトです。内径を正確に加工するのに用いられ、特に筒状の部品を加工する際に効果を発揮します。

ねじ切りバイト

ねじ山を作るためのバイトです。ボルトやナットのねじ部分を切削する際に使用され、高精度のねじ山を作ることができます。

旋削加工で発生する切り屑の管理方法

旋削加工では、加工中に切り屑が発生します。切り屑は加工中に削り取られた材料の一部であり、その処理が適切に行われないと、製品の仕上がりや作業の効率に悪影響を与える可能性があります。切り屑の形状や性質は、使用する材料や加工条件により異なります。ここでは、切り屑の種類と特徴、およびその適切な処理方法について解説します。

切り屑の種類と特徴

切り屑には、主に「流れ型切り屑」と「せん断型切り屑」の2種類があります。それぞれの特徴を理解し、適切に管理することが重要です。

流れ型切り屑

流れ型切り屑は、切削速度が高い場合に発生しやすい切り屑の形状です。この切り屑は、滑らかな形状で長く連続して発生するため、素材の表面仕上げが良好になります。しかし、切り屑が長くなると、旋盤や工具に絡まりやすく、作業効率を低下させる可能性があるため、適切な切り屑処理が必要です。

せん断型切り屑

一方、せん断型切り屑は、硬い材料や低速の切削時に発生することが多く、短く断片的な形状をしています。せん断型切り屑は、流れ型切り屑に比べて切削力が大きく、表面の仕上がりが粗くなることがあります。しかし、短くて扱いやすいため、切り屑処理が容易という利点もあります。

切り屑処理のポイント

切り屑が発生した場合、その適切な処理が旋削加工の品質や効率に大きく影響します。以下に、切り屑処理における重要なポイントをいくつか挙げます。

切り屑の排出をスムーズにする

流れ型切り屑が長くなり過ぎると、旋盤の作業エリアや工具に絡まり、工具の寿命を縮めたり、作業効率を低下させる原因になります。このため、切り屑を短く分断するバイトや切り屑除去装置を使用して、切り屑の排出をスムーズに行うことが重要です。

切削液の活用

切り屑の発生をコントロールするために、適切な切削液の使用も重要です。切削液は、切削中の摩擦を軽減し、熱を抑えることで、切り屑の形成を最適化します。また、切削液は切り屑の流れを促進し、切り屑が工具や素材に絡まるのを防ぎます。

定期的な切り屑の除去

加工中に発生した切り屑は、定期的に除去する必要があります。機械内に切り屑が溜まると、作業の進行を妨げたり、機械自体の動作に悪影響を与える可能性があります。自動切り屑排出システムの導入や、作業者による定期的な清掃が効果的です。

安全対策

長い流れ型切り屑は鋭く、作業者が手で扱う際に怪我をするリスクがあります。切り屑の除去時には、必ず適切な保護具(手袋、保護メガネなど)を着用し、安全を確保した上で行うことが推奨されます。

旋削加工に関する当社での製作実績

可動側コア
 

可動側コア

材質 NAK80
サイズ φ46.1 × 70.32
精度 0.01
ボス
 

ボス

材質 A7075
サイズ φ82 ×36
精度 0.03
中子本体
 

中子本体

材質 A5052
サイズ φ160 × 96.96
精度 0.1
下型主型巾木
 

下型主型巾木

材質 A5052
サイズ φ82.9 × 36.33
精度 0.06

旋削加工ならCHAMPIONにお任せください

CHAMPIONは、全国3,600社以上の企業から年間80,000件以上の製作依頼を受ける実績があり、旋削加工をはじめとする精密部品の製造において豊富な経験と高い技術力を誇ります。30種類以上の自社保有加工設備と160社の協力加工先を駆使して、1個から特注部品を製作可能です。公差範囲0.003mmの精密加工に対応しており、短納期や複雑な部品の製造も柔軟に対応しています。



まとめ

旋削加工は、製造業において非常に重要な技術であり、高精度で複雑な形状を作り出すことができます。この技術は、自動車、航空機、医療機器など、幅広い産業で活用されています。旋盤やバイトの選定、加工条件の最適化が、製品の精度や生産効率を大きく左右します。旋削加工の進化により、さらに効率的かつ精度の高い製造プロセスが期待されています。

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