材質変更提案により、サイクルタイムが20%改善した事例|自動車部品メーカー M社様

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水谷 有喜

B!
この記事の概要


本記事では、自動車部品 M社様ガラス繊維樹脂成形におけるサイクルタイム短縮の取り組みをご紹介します。

対象となったのは、Φ6 × 全長230mm(ネジ部 約15mm)の細長ネジコアです。 従来材質SKH51から、熱伝導率に優れるDHA-Thermoへ材質変更し、 さらにエジソンハード表面処理を組み合わせることで耐摩耗性を補完しました。

その結果、サイクルタイムを52秒 → 41.5秒へ短縮し、 約20.2%の高速化を実現しました。


提案前の課題

Q
成形現場ではどのような課題がありましたか?

A

当社ではガラス繊維強化樹脂の自動車部品を成形していますが、 生産性向上のためにサイクルタイムの短縮が大きな課題となっていました。
金型部品の中でも特に冷却効率が重要になるため、 他の部品についてはベリリウム銅+表面処理に変更し、 冷却性能の改善を進めていました。
しかしネジコアについては成形品の精度要求が厳しく、 材質変更による精度への影響を懸念して ベリリウム銅への置き換えができない状況でした。
そのためネジコアだけは従来通りSKH51を使用しており、 冷却効率の改善が難しい状態が続いていました。


当社の対応・提案内容

Q
CHAMPIONからはどのような提案がありましたか?

A
ネジコアの材質について、 御社からSKH51からDHA-Thermoへの変更をご提案いただきました。
DHA-Thermoはダイカスト向けに開発された材料とのことでしたが、 SKD61の約1.6倍の熱伝導率があり、 冷却効率の改善が期待できると説明を受けました。
一方でSKH51と比較すると硬度がやや低くなるため、 耐摩耗性についてはエジソンハードの表面処理を 組み合わせることで補うという提案をいただきました。
材質変更だけではなく、 材料特性と表面処理を組み合わせた提案だったため、 精度要求とのバランスを見ながら導入を検討することができました。
 

提案ポイント

  • ネジコア材質を SKH51 → DHA-Thermo に変更
  • DHA-Thermo(熱伝導率 SKD61比 約1.6倍)で冷却効率改善
  • エジソンハード処理で耐摩耗性を補完
  • 精度要求と冷却性能の両立

改善結果

Q
導入後の結果はいかがでしたか?

A
材質変更によりネジコアの冷却性能が改善し、 成形サイクルは52秒から41.5秒へ短縮しました。
10.5秒の短縮となり、 生産ラインとしては約20%近い高速化が実現しました。
ネジ部の精度要求が厳しい部品でしたが、 精度を維持したままサイクルタイムを改善できた点は 非常に大きな成果だったと感じています。
量産ラインの生産性向上にも大きく寄与しており、 現場としても非常に満足しています。


Q
今回の取り組みを今後どう活かせそうですか?

A
今回のネジコアの改善は、 材質単体ではなく 材料+表面+加工仕様 の組み合わせで機能を成立させた事例です。
同様に、 冷却ボトルネックとなる金型部品に対しても 同じアプローチで改善の可能性があります。

 

 
当社からのコメント

ネジコアのように精度要求が厳しい部品では、 単純な材質変更だけでは改善が成立しないケースが多くあります。 今回の事例では、 「熱伝導率の高い材料」+「耐摩耗表面処理」という 機能分担設計を行うことで、 冷却効率と精度維持を両立しました。 CHAMPIONでは、 材質・表面処理・加工仕様を組み合わせた 総合的な技術提案により、 量産現場の生産性改善を支援しています。


 

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